外壁の素材は家の佇まいを印象付けるポイントになります。近年はローコスト化、効率化に伴い工業製品であるサイディングを使う割合が多くなってきています。メンテナンスや価格、施工性に関しては工業用品よりも手間がかかりますが、自然素材が持つ風合いや趣も捨てがたい魅力があります。今回ご紹介するのは、経年変化を楽しむ木のファサードbest5。木の素材はナチュラルな色からシルバーへと変化をするのが特徴です。メンテナンスをしながら「育てていく」魅力を楽しめる木を使った素敵な家をみてみましょう!
株式会社 ATELIER O2の手がけたこちらの家は、広がる牧草地や海を見渡せる広大な景色の中にある住まいです。このロケーションに建つ家に、住まい手はなるべくシンプルな三角屋根と平面、経年変化を楽しめる素材を用いることを望まれました。一枚一枚に色むらや木目のある味わいのある外壁材は、日の傾きによって美しい陰影を生み出します。素朴でおおらかな自然の景色に溶け込み、絵になるモダンな佇まいを見せるこちらの家。雄大な景色を眺められる大きな窓があり、日に日に違う表情を見せる景色をダイナミックに楽しめる家に仕上がりました。本住宅については「牧場に佇む経年変化を楽しむ家」で詳細をご紹介しています。
藤原・室 建築設計事務所の手がけたこちらの家は、建築家が敷地を確認に赴いた際、「気がつかず思わず通り過ぎてしまった」ほどの小さな土地に建つ狭小住宅です。建築面積は約6.6坪、敷地面積は約11坪。間口がコンパクトで奥に細長く、3方が建物に囲まれた環境です。スキップフロアや上からの光の通り道を確保し、見た目以上に快適な暮らしが叶う家に仕上がりました。木の色と木目を生かした外壁は、細長い家をさらに凛と引き立たせるような佇まいです。小さいながらも本物の素材によって存在感を増し、暮らすほど愛着のある家になるでしょう。本住宅については「11坪の敷地に建てられた小さな家」で詳細をご紹介しています。
横浜市中心部の下町である住宅街にあるこちらの家。クリーニング店兼用の住宅の建て替えを木名瀬佳世建築研究室が手がけました。下町の風情ある空気感の中、東日本の町家形式を現代的な空間構成でデザイン。黒とウッドの素材がモダンなファサードは、角度を変えるとまた別の金属素材がまた違う表情を見せます。通り土間である店舗の入口は家族のエントランス兼ギャラリーとしても活躍するスペースに。地域の人々が訪れるこちらの住まいは、時とともに街に馴染む存在の建物になりそうです。本住宅については「町屋に習った間取りの地域交流を楽しめる家」で詳細をご紹介しています。
レベル差のある台形の敷地にある23坪の住まいは、杉並区の閑静な住宅街に建ちます。周囲を住宅に囲まれた環境の狭小地であり、敷地奥には7坪の折れ曲がった土地とともに構成されていました。すわ製作所はこの特殊な地形を利用し、奥の空き地を庭として活用することで心地よい空間をデザインしています。住宅が密集する土地において、道路面からはプライバシーの確保がなされ、特殊な土地の形状をスキップフロアによって有効的に利用。国産材の木材をふんだんに使ったモデルハウスとしても設計されたこちらの家では、外壁のファサードにもウッドが使われ、コンクリートとウッドのコラボレーションが暖かくモダンな佇まいに仕上がっています。どちらも味わいを深める素材のため、年々趣が増すのを楽しめることでしょう。本住宅については「オリジナリティ溢れるステップフロアの家」で詳細をご紹介しています。
丸山晴之建築事務所の手がけたこちらの住まいは、3方を海に囲まれた安島に建つ住まいです。沿岸の旧集落は建て替えが困難であり、切り開かれた地域住民のための住宅団地が整備されている環境にありました。新興住宅は現代的な趣の家も多くありますが、こちらの住まい手が望まれたのは旧集落の面影を持つ伝統的な要素。屋根を瓦、外壁はサワラ板という木材が使用されています。現代のライフスタイルに合わせたデザインながら、半屋外的に利用できる内部空間や自然と調和する地域の趣を生かした味わいのある新しい住まいが生まれました。本住宅については「風土を継承する素敵な住宅」で詳細をご紹介しています。
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