収納スペースの確保は、どんなお宅でも少なからず問題になるポイントではないでしょうか。限られたスペースを有効に使うためには、一つの家具に複数の役割を持たせることが解決のひとつのカギとなります。今日ご紹介したいのがベンチ収納。ベンチという腰かけるスペースに物をキープする場所を作ろうというアイデアです。わざわざ新しく家具を買うのもいいですが、DIYなど自ら手を加えることでアイデア家具が出来上がることも。ぜひチェックしてみてください!
ベンチ収納として最初にご紹介するのがこちらのLDK空間。壁面に沿ってキッチンを造り、ワークトップ下の収納をそのまま延長した形で小さな棚を作り付けて、その上にクッションを置くことでベンチスペースとしています。わざわざソファを買うことなく、たくさんの人が座れる空間に。大きな人が横たわるのにもよさそうですね。見た目にもまとまりがあるため、とてもすっきりとしています。ウッディテイストに黄色とブルーが軽やかなアクセントを添えています。
最近では一般的になりつつあるベッド仕様の寝室。押し入れの代わりにクローゼットを使っているお宅では、季節ものの寝具は棚の上の方にしまい込まれることが多いかもしれませんが、出し入れが大変ですよね。こちらの寝室では、足元にベッドと同じ高さのベンチが置かれています。着替えたり身支度をしたりするときにちょっと座れるスペースとして便利ですが、座面を開けると大容量の収納スペースが登場します。ここに普段使わない寝具やリネンをしまえば、すっきりとしていながらも取り出しやすそうですね。
ちょっと座るスペースとしてのベンチはとても便利ですが、場所を取りがち。例えばこちらのように座面の下がオープンな造りの棚になっていれば、物を収めるスペースとしてしっかりと活用ができそうです。座面の籐に合わせて籐のかごを収めることで、収納しているものを箱に収められるだけでなく、嵩高なので目隠し的な役割も果たしてくれます。出し入れも簡単なので、なんでもポイポイっと入れてしまえて、片付け上手になれそうですね。
キッチンは、調理道具だけでなく、食料のストックなどもあり、どうしても物が溢れがちになるスペース。上手な収納が求められている場所でもあります。こちらは愛知県の建設会社・ジャストの家の手がけたお宅のダイニング。壁に面して作りつけられたベンチの下はお水やお酒などのストックが収められています。膝くらいの高さの収納なので、水物などの重いものも出し入れするのにちょうどよい場所ですね。このスペースだけでもずいぶん物が収まりそうです。
Photo: ジャストの家
家づくりの段階で、収納スペースをどれくらい作るか考えることはとても大切なこと。こちらのお宅では、たくさんの方が集まる場所ということを考慮して、敢えて段差を付けたリビングになっています。段差があることで、たくさんの人が座れるスペースが自然とできる仕組みです。この一部に一段低い段を作ることで、上り下りがしやすくなるだけでなく、足元にもちょっとしたストックスペースが誕生します。文庫などの小型の本や細々としたものをボックスに入れて収めるなど、意外に使えるスペースになりそうです。
Photo: 針金洋介(Techni staff)
小さな子や体に不調を抱えている人がいると、靴を脱いだり履いたりする場所に座る場所があるととても楽ですよね。こちらは、オープンタイプの靴箱にベンチが備え付けられたユニット家具。お気に入りの靴がアクセサリーのように並んでいる様子は、とても心躍るのでは?出かけるときに必要なものや折り畳み傘なども、ここにまとめて置くことで、出かける時に忘れ物をすることがなくなりそうですね。ある程度の広さのある玄関のお宅にはおすすめです。
Photo: Leopold Fiala Photography