お庭に立派なしだれ桜の木があるとしたら、どんな風に過ごせる住まいがいいんでしょう。敷地によっては伐採してはもったいないような立派な木のある環境も珍しくないですよね。既存の木を守りながら快適な住空間をプランしたいものですよね。今回ご紹介するのは、敷地に大きなしだれ桜のある住宅。設計事務所アーキプレイスが手掛けるこちらの住まいは、3世代5人家族が住まう家。庭の立派なしだれ桜は地域のシンボル的な存在にもなるほど。家族だけでなく、周辺に住まう人との交流のきっかけにもなるアイテムに。プライベートな空間と人の集まるパブリックなスペースが緩やかに繋がるフレンドリーで賑やかな住まいです。
敷地があるのは滑らかな山並みを望む、のどかな田園が広がる穏やかなロケーション。周辺には豊かな植栽が囲うゆったりとした敷地です。外観は一見すれば山並みに呼吸を合わせるような平屋のようなフォルム。端に設けられたような二階のある建物です。建物の長手方向には広い庭と長い縁側、そして大きな開口のあるどっしりとした雰囲気のある外観です。
リビング・ダイニングスペースに面した大きな開口と長い縁側。そこから望むのは大きく傾きながらも力強いしだれ桜の全景を望むことができます。室内と屋外を繋ぐ開口はフルオープンが可能な屋内外が曖昧になる心地のいい空間。フラットなフロアで連続する空間は室内リビングが広がったような大空間にも感じられます。桜が満開の季節には家族はもちろん、ご近所さんや知人が集まって賑わえるほどの縁側スペースに広いお庭。人の声や気配で交流の図れる温かな空間です。
シンボルツリーの傍の二階個室。眺めはもちろんしだれ桜のある風景です。室内インテリアはホワイトカラーをベースにフローリングの木目がナチュラルシンプルテイスト。屋根勾配の高い天井は空間に広がりと開放感を感じさせてくれます。広めのデッキテラスからは手を伸ばせば桜に届きそうな距離感を味わえるダイナミックな眺めです。春にはそよ風に乗って桜の花びらが室内に舞い込むかもしれません。
キッチン・ダイニングスペースは家族の顔が通せるオープンスタイルのキッチンのある空間。チョコレートブラウンのキッチン腰壁にダイニングテーブルのあるインテリアは落ち着きのあるシックな雰囲気を感じることができます。キッチンで調理をしながらも家族とのコミュニケーションの図れるプランは三世代家族の大切なひと時となるかもしれません。
リビングスペースから見通す家族の集まるパブリックスペース。構造現しの高い天井にシーリングファンの着いた空間は開放的で心地のいい風を感じることが出来ます。ハイサイドライトのある壁面からは自然光の差す温かな空間に。家族や近所の人が集まりやすい開放的な住空間とシンボルツリーのある敷地は地域の人と交流の図れる程よい繋がりを楽しめる住まいです。