雪見障子(雪見窓)や額入り障子など、障子の種類には様々な桟の組み方があることをご存知でしょうか。桟の組み方によって、それぞれ異なる障子の種類名が付いていると同時に、デザインが変わることで室内の印象も随分と異なります。そこで今回は、雪見障子(雪見窓)といった障子の種類とそれらの特徴を紹介していきたいと思います。和のデザインだけでなく、モダンなインテリアにもよく合うデザインもあるので、是非参考にしてみて下さい!
雪見障子(雪見窓)とは、障子戸の下の半分にガラスがはめ込まれていて、障子戸を閉めていても室内から外の風景を楽しめるようになっているデザインです。その名の通り、部屋からでも外の雪景色が見られることから名付けられた呼び方です。こちらのモリモトアトリエが手掛けた住まいでは、椅子に座って高い所から庭を眺めるリビングと、畳に座って低い目線から外を眺められる雪見窓が並んで配されることで、同じ庭の景色でもそれぞれの目線の高さの違いで楽しみ方も変わってくるでしょうし、またその違いを雪見窓がより際立たせています。
写真:モリモトアトリエ
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猫間障子とは、雪見障子と同じように下の部分にガラスがはめ込まれながら、さらに上あるいは横に取り付けられた障子戸によって上下あるいは左右に開け閉めができる障子戸のことを言います。猫が出入りできるために作られたものから、その名が付けられたと言われています。しかし、地域によってはこのような障子戸を雪見窓と呼ぶこともあるので、このようなデザインにしたい時は、誤解がないようにしっかりと建築家と話し合いながら確認していきましょう。
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荒組障子とは、通常よりも組子の数を少なくして、桟を荒く組んだデザインを指します。現在、一般的に使われているデザインの1つです。モダンな居住空間にも馴染むシンプルでスッキリとしたデザインから好まれています。こちらのアミ環境デザインが手掛けた住まいのように、純和風のインテリアだけでなく、和モダンからおしゃれなモダンスタイルのインテリアにも合う、現代のインテリアデザインに幅広く応用できます。
【住まいについては、こちらの記事でも紹介しています】
縦繁(たてぐみ)障子とは、縦方向の組子が多く組まれているものを指し、横繁(よこぐみ)障子とは、横方向の組子が多く組まれているものを指します。こちらのATELIER137 ARCHITECTURAL DESIGN OFFICEが手掛けた住まいでは、縦繁障子でリビングと畳スペースを仕切りながら組子を白くすることで、モダンスタイルのリビングの中でもこの戸が浮くことなく非常によく馴染んでいます。
水腰障子とは、全面に書院紙が貼られているもののことで、それに対して腰板付き障子とは、戸の下部分に腰板が設けられているもののことです。こちらの一級建築士事務所 (有)BOFアーキテクツが手掛けた京都の町屋の再生プロジェクトでは、腰板付き障子を取り入れることで、中庭の風景と並んで伝統的な和の美しさが感じられる空間となっています。
額入り障子とは、中程に額縁を設けて、そこにガラスをはめ込んだものです。縦に長い額縁のものを縦額障子といい、横に長い額縁のものを横額障子ということもあります。視線をカットしながら光を仄かに取り込んでくれる仕切りでもありますが、こうしたガラスをはめ込んだ額入り障子や雪見窓などでうまく視線も調節することで、デザインだけでなく機能的にもそれぞれの空間に合った仕切りとなっていきます。
【和の空間については、こちらの記事でも紹介しています】
※ 縁側まとめ
縦組子や横組子の間隔を狭くして作る吹き寄せ障子は、和風モダンな住宅の和室に主に使用されます。リズムの変化を付けて組まれているので空間のアクセントにもなります。数寄屋風のインテリアにも合いそうですね。こちらは大らかに佇む瓦葺き切妻屋根の住まい。坪庭に面したダイニング・リビングルームは戸を全開すると、居間は庭と一体になり冬の日差しが部屋の奥まで柔らかく差し込みます。
変わり組み障子は、組子を斜めに組んだり、不規則、または伝統模様をあしらったり等することでデザイン性を強調したものです。こちらは組子障子にFIXガラスを組み、さらにその向こう側には縦桟障子があしらわれています。
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